名言の中にある脅迫


ある日同性婚の権利について日本にその権利が無いことはおかしいととあるバーで話したときに

「貧しい発展途上国の現状考えて、自分の生活に感謝してないでしょ。先に別にやることがあるんじゃないの?」

と言われた。

「黙っておとなしくしてたら?」

と言われてる風でしかなかったのだけど。

 

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自分の生活の中で不自由だ、不条理だと感じたことに抵抗することはおかしいことではないはず。

人は経験とかトラウマとか感動とかそういうものが行動に直結する。

それを極限まで一般論に落としこんで、環境に感謝しろ、出来ない人のことを考えろというのはとっても危険なことだと思う。

 

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自分の考え、経験から突き動かされて、そう考えることはあることだし否定されるべきじゃない。

けれどそれを人を説得するための理由にするには、人と人の経験とかそれに由来する感情には溝がありすぎる。

その人にはその人の悩みがあって、別の人にとっては全く悩みではないということは往々にしてある。

それを比べてどっちが苦しいなんて言うことは無意味なことだ。

すべて、「自分の場合は」が前提になっていることを忘れている人がいるんだと思う。

 

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だから「あなたが死にたいと思った明日は誰かが生きたいと思った明日だ」とかいう説教がだいっ嫌いなんだよ。

この言葉に心を動かされる人もいるだろうけれど、そう思わないけど、やっぱり生きることが辛いんだって人には「いいから我慢して生きろよ」にしか変換されない。

それで頑張れる人は頑張ればいい。

その言葉で頑張れない人を追いつめるのはやめなきゃいけない。

 

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いいんじゃないの。

自分の感覚に正直になって。

「そんなのどこが辛いの」ってわからない人にはわからないんだよ。

厳密にはまったく同じ経験をした人なんていないんだから、

まったく同じ感情を持ってる人なんていないんだよ。

それでもわかりたいと思うから一緒にいたいと思うのに、押し付けてしまうのは粋じゃないんじゃないの。

 

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03

crying without turning on the microphone.

叫ぶ。拡声器の電源はOFFのままで。

 


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